牛乳タンパク質は吸収されない?
先日、「プロテインを牛乳に溶かすと言っても、牛乳のタンパク質は体に吸収されないんですよね?」
という質問がありました。
管理人には何のことやらサッパリ分からなかったのですが、ネット上を検索してみると、
「日本人は牛乳のタンパク質を吸収するための酵素を持っていない。」
と書いてあるサイトがチラホラ・・・
そこで今回は、この話が本当なのかどうかという事について考えてみたいと思います。
牛乳のタンパク質とは?
牛乳に含まれているタンパク質は、主にホエイとカゼインという2種類のタンパク質に分けられます。
タンパク質全体の割合で言うと、20%がホエイで、残りの80%がカゼインです。
この2つのタンパク質は牛乳だけでなく、牛乳から作られる加工食品、たとえばチーズやヨーグルト、そしてプロテインにも含まれています。
タンパク質を分解する酵素
人間の体内でタンパク質を分解する酵素にはいくつかの種類があります。
例えば胃で分泌されるペプシン、すい臓から分泌されるトリプシン、キモトリプシンには、牛乳のタンパク質を分解する力があります。
そして、日本人だからといってこれらの酵素を持っていないという事はありません。
というか、もしこれらの酵素を持っていなかったら、牛乳以外のタンパク質を食べても消化不良を起こしてしまうでしょう(笑)
また、本当に牛乳のタンパク質を日本人が分解できないのなら、成分の80%以上が牛乳のタンパク質で作られているプロテインを飲む人は皆、ひどい下痢になるはずです。
情報はどこから来たのか?
色々調べてみましたが、
「日本人は牛乳のタンパク質を吸収するための酵素を持っていない」
という話が書いてある書籍や、専門家が直接そういうコメントをしている資料・サイトなどは発見できませんでした。
見つかったのは、いわゆる「まとめサイト」やそれを引用したと思われる2次的な書き込みだけ。
なので、管理人の見た限り、「日本人は牛乳のタンパク質を吸収するための酵素を持っていない」という話は、どこかで生まれた「誤解」か「勘違い」が人づてに広まってしまったものだと思います。
牛乳は万能ではない
しかし、牛乳にも欠点はあり、場合によっては無理に飲んだり飲み過ぎたりすればマイナスになる可能性もあります。
そこで次回の記事では、牛乳を栄養源とする場合の注意点についてまとめてみることにしましょう。
(管理人へのご連絡は不要です)