アミノ酸スコアとプロテインスコア

プロテインの話をする時によく「アミノ酸スコア」なるものが登場します。

これは、「そのタンパク質が人間の体の中でどれくらい効率よく使われるか?」という事を表している数値です。

基本的には人間の体に近い成分のタンパク質ほどアミノ酸スコアが高く、人体にとって役に立つタンパク質ということになります。

しかし、タンパク質の栄養価を示す数字としては「プロテインスコア」というものが登場することもあり、混乱することもあるでしょう。

そこで今回は、タンパク質を評価する基準となる指標についてまとめてみたいと思います。

プロテインスコア

プロテインスコアは1955年~1957年頃に、FAO(国際連合食糧農業機関)という団体によって決められました。

 FAO

タンパク質として理想的なアミノ酸のバランスを持っているもののプロテインスコアを100としたのですが、この時に基準として使われたのは卵や牛乳などのタンパク質だと言われています。

プロテインスコアで考えると豚肉や鶏肉というような、人間に近い哺乳類の肉でも満点にならない(80~90くらい)の事があったりと、後で説明するアミノ酸スコアよりも低くなる事が多いです。

最も古い評価基準ではありますが、専門家の中には今でもこれを重要視すべきと主張する人がいたりします。

アミノ酸スコア

1973年にFAOとWHO(世界保健機関)によって決められ、現在でも日本で広く使われているのがアミノ酸スコアです。

 FAO+WHO

人体のアミノ酸組成を基準にして決められている数値ですが、何度か改訂が行われているために「いつの時点を基準としたアミノ酸スコアなのか?」ということが曖昧になっている傾向があります。
(当サイトのコンテンツでも、古い数値を使っている場合があります。)

プロテインスコアに比べると数値が高くなりやすく、動物肉ならほぼ100、植物性タンパク質でも100に近い値になっていることも。

1985年の改訂では大豆のアミノ酸スコアが100となっているために、大豆など植物性タンパク質食品を売るための陰謀だという意見もあるようです(笑)。

PDCAAS

1990年にWHOによって決められた比較的新しい評価基準で、米国などでは広く用いられています。

 WHO

PDCAASというのは「Protein Digestibility Corrected Amino Acid Score」という言葉の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「タンパク質の消化吸収率によって補正したアミノ酸スコア」という感じになります。

なお、プロテインスコアやアミノ酸スコアと違って最大値が1、つまり1.0が満点で、0.5ならその半分に相当する栄養的価値を持っていることを表しています。

その名の通り、含まれているアミノ酸だけでなく、そのタンパク質がどれくらい消化されやすく、体の中で利用されやすいかということを総合的に判断しているのが特徴です。

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