EMRが筋肉を太くする?
EMRというのは酵素処理ルチン、または糖転移ルチンとも呼ばれる物質。
元々は天然の植物に含まれるフラボノイドという栄養素の一種です。
柑橘類やソバなどに含まれるルチンは、以前から健康に良い成分として注目されていました。
そしてこれがさらに人体に吸収されやすく、利用されやすくなったのがEMRと呼ばれるものです。
最近、このEMRが筋肥大や筋力アップに有効な成分として注目されているらしいので、簡単にまとめておくことにしましょう。
EMRが筋肉を太くするしくみ
筋トレなどで筋肉が損傷すると、その場所が炎症を起こします。
そしてこのとき、炎症によって発生した活性酸素が細胞を傷つけることで、さらに筋肉が分解させてしまうと言われているのです。
(ちなみに筋肉を酷使した後にアイシングを行うのには、この炎症を最小限にするという効果があります。)
しかしEMRには抗酸化作用という活性酸素の働きを抑える効果があるので、摂取しておくと、この筋肉の分解を食い止めることができます。
だからプロテインなどの栄養素とEMRを組み合わせると、普通よりも効率よく筋繊維の補修や強化が行えるということになるわけです。
実験によるデータ
EMRについては、すでにマウスや人間による実験が行われているので、ここで少し紹介しておきましょう。
EMRと他の栄養を摂取した場合の効果
マウスを使った実験では、特に何の運動も行わずEMRと普通のエサを与えただけでも、数%の筋肥大効果が認められたそうです。
EMRには運動以外によって発生した活性酸素の働きを抑える力があるので、それがプラスに作用したのかも知れません。
EMRありとEMRなしの比較
同じくマウスを使った実験では、筋肉に一定の負荷をかけてから、
A:プロテインだけを与えたマウス
B:プロテインとEMRを与えたマウス
に分けて筋肉を観察したところ、EMRを与えたマウスの方により大きな筋肥大(約20%)が認められました。
血中成分の測定
人間を対象とした実験では、プロテインのみを摂ったした場合と、EMRをプラスして摂った場合では、血中の成分に差が認められました。
具体的には、筋肉の合成を促す成長ホルモンやインシュリン、テストステロンなどの濃度が高く、逆に筋肉が分解されたときに出る物質(クレアチンキナーゼ)の濃度は低かったそうです。
アスリートによる実験
アスリートにEMRを摂取してもらった実験では、除脂肪体重、つまり体脂肪を除外して計算した場合の体重が約2%増加したそうです。
まだまだEMRを配合したサプリメントは数が少ないと思いますが、今後はプロテインにEMRが配合されたり、EMRをサプリメントとして摂ることがトレンドになってくるのかも知れません。
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