動物性タンパク質は体に悪い?
健康に関する色々な本、webページ、その他の情報を見ていると「動物性タンパク質は体に悪い」という表現をよく見かけます。
しかし
「なぜ”動物性”のタンパク質が体に悪いのか?」
という原理については、イマイチきちんとした解説が見つかりません。
この点について、当サイトの意見をまとめてみました。
「摂り過ぎは体に毒」が全ての基本
まず初めに言えることは、動物性だろうが植物性だろうが、タンパク質だろうが砂糖だろうが塩だろうが、たとえ水だろうが摂り過ぎれば体には悪いということです。
実際に、塩にだって毒物と同じように「これだけ摂ると死にますよ」という「致死量」がありますし、水も飲み過ぎると死ぬことがあります。
だからタンパク質を摂り過ぎることが問題なのか、それとも動物性タンパク質の性質そのものが問題なのか、その点についてはきちんと分離して考える必要があるでしょう。
動物性タンパク質は体に悪い、説の根拠
それでは、動物性タンパク質の性質が体に悪影響を及ぼす可能性がある要因について、一つ一つ確認していってみましょう。
動物性脂肪の摂取量が増える
「動物性タンパク質は避けるべき」という理由の中でも特によく言われているのが、動物性タンパク質を摂ると動物性脂肪の摂取量も増え、それによって色々な成人病などにかかるリスクが増す、というものです。
確かに焼肉やステーキなどで食べられる豚肉、牛肉に限ればそうかもしれません。
しかし、動物性タンパク質はいわゆる「脂っこい料理」に使われる食材だけに含まれているわけではありません。
例えば鶏のササミや卵などは非常に低脂肪なので、動物性タンパク質摂取=動物性脂肪摂取という図式が成り立たない場合もかなりあるのではないでしょうか。
動物性タンパク質は消化に悪い
「動物性タンパク質は消化・吸収に時間がかかるため、消化器官に負担をかける」というのも動物性タンパク質を割けるべき理由の一つとされています。
しかし、これも動物・植物という区分よりはタンパク質の種類の問題でしょう。
例えば、比較的消化に時間のかかる大豆とホエイ(乳清)ではホエイの方が比較にならないほどスムーズに体に消化されます。
卵なども調理法によっては植物性タンパク質よりも「胃腸に優しい」料理として食べる事は十分可能なはずです。
動物性タンパク質はアレルギーを引き起こす
動物性タンパク質の摂取量が多いとアレルギー症状が起こりやすいという説がありますが、そもそもアレルギーが起こるしくみ自体がまだ完全に明らかになっていません。
動物性タンパク質の摂取が直接アレルギーの発症率に結びつくのであれば、肉食中心の国に住んでいる人にはアレルギーが多いはずです。
ですが、日本人と同じ人種であるモンゴロイドに限ってみても、そのような事実は確認できません。
動物性タンパク質にはリンが多い
他に、動物性タンパク質はリンを多く含むために体内の栄養バランスを崩すという話がありますが、これもやはり食材によりけり。
たとえば豆類よりもリンの量が少ない動物の肉もたくさんありますので、「動物性だからダメ」ということの根拠にはならないでしょう。
結論
結局のところ、動物性タンパク質自体の性質自体に問題があるという明確な根拠は見つかりませんでした。
なので、栄養の事をきちんと考えて摂取している限り、健康に悪影響がでることは無いだろうというのが当サイトの結論です。
ただし、食事の内容を管理せずに肉類中心の食事を続ければ、栄養のバランスが崩れていくということは間違いありませんので、当然その点については注意する必要があるでしょう。
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