タンパク質と糖新生

「タンパク質+糖質が必要な理由」の項目でも書いたように、体づくりのためにはタンパク質だけでなく糖質の摂取量にも気を使う必要があります。

エネルギー不足によって体の重要な組織がダメージを受けることについては親サイト『肉体改造研究所(筋トレ&ダイエット)』『食事制限のワナ』にも簡単にまとめました。

しかしが、今回はなぜ糖質が肉体の維持にかかせないのかということを、栄養学的な面から詳しく見てみましょう。

エネルギーが足りない時の反応

人間の体にとって、エネルギーとなる物質の基本は糖質。

だから糖質が不足すると、人体はまず予備のエネルギーとして蓄えられているグリコーゲンという物質を分解し始めます。(詳しくは親サイトの『グリコーゲンとは?』をご覧下さい。)

しかし、グリコーゲンは長期間にわたってたくさんのエネルギーを貯蔵するには向かない物質ですから、やがて空っぽになってしまうのです。

そうなる人体は、他の栄養素から糖質を作り出すことによってエネルギーを確保しようとします。なんともしぶとい生命力です。

例えば、
・脂肪→糖質
・タンパク質→アミノ酸→糖質

というように栄養の分解・合成を行うのです。

人体は糖質が不足すると、他の栄養素から糖質を作り出そうとします

栄養学ではこのようにして糖質を新たに生み出す反応を反応を糖新生と呼んでいます。

タンパク質は筋肉から奪われる

ほとんどの人にとって、脂肪をエネルギーに変えてくれるという糖新生は、ありがたい反応といえるでしょう。

体脂肪がどんどん燃焼されればお腹だって凹んでいくはずだし、アゴのお肉もスッキリするはずだからです。

でも、残念ながらそうは行きません。

糖新生では体脂肪だけでなく骨格筋、つまり美しい体を作る上で重要な筋肉のタンパク質がどんどん分解されていってしまうからです。

糖新生の「悪影響」を防止するには?

だから筋肉を付けることや、筋力をアップさせることを目的として体を鍛えているような場合、糖質不足になってしまうような状況はできるだけ作らないほうがいいわけです。

体重そのものを増やしたいと思っているような場合はなおさらで、空腹の時間が長く続くような事は出来るだけ避けなくてはいけません。

ダイエットを優先していて多少の筋肉を犠牲にしてでも体脂肪を減らしたい場合は妥協も必要かもしれません。

それでも、筋肉の減少を最小限にするためには、運動後などに適度な糖質の補給を心がけましょう。

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