光るタンパク質の話
以前の日誌「摩訶不思議なタンパク質」ではタンパク質にはとても多くの種類があり、透明なレンズのようなものから強靭な糸のようなものにまでなったりするということを書きました。
タンパク質が色々な性質を持つことが出来るのは、アミノ酸の組み合わせによって複雑な形(分子構造)になることがその大きな理由だと思いますが、その「色々なタンパク質」の中でも特に興味深いのが、光るタンパク質の存在。
いや、正確に言うとタンパク質そのものが光るというよりは、タンパク質は化学反応を起こさせるための酵素として働くという方が正確なのですが、とにかくタンパク質が反応に関わって美しい光を発するのです。
自然界に存在する物の中で有名なのが蛍や夜光虫などと呼ばれているプランクトン、クラゲの一種などがこの「タンパク質による発光」のしくみを持っています。
中でも管理人がお気に入りなのがウリクラゲという海の生物で、光の点が七色に変色しながら移動する様子は、まるでイルミネーション効果のために神様が設計したのではないかと思うのほどの美しさです。
また、この「タンパク質による発光」は、ただ自然界に存在していてキレイだというだけでなく、近年はバイオテクノロジーの研究にも利用されています。
例えば、遺伝子組み換えなどを行った時に、昔は手間をかけてサンプルを遺伝子解析して結果を確認したり、生物に有害な紫外線などを照射しなければなりませんでした。
しかし、組み換え遺伝子にこのタンパク質発光の仕組みを混ぜておけば、ちゃんと遺伝子が組み込まれたかは暗い所で目で見れば分かる、というわけです。
粉末のプロテインサプリメントは賞味期限が切れても、見た目には特に悪くなっている様子もなく「飲もうか捨てようか迷う・・・」という事がよくあります。
そこでタンパク質発光を利用して、粉末が新鮮だとシェイクにした時に強く光る(逆に悪くなっていると光らない)というプロテインがついに発売!・・・という時代はやって来ないものでしょうか(笑)
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