地球外アミノ酸
マティアス・ヤコブ・シュライデン氏とテオドール・シュワン氏というドイツの科学者が提唱した「細胞説」というものによると、あらゆる生物の体は細胞によって出来ているとされています。
そして確かに動物も植物もバクテリアも、細胞が命の最小単位です。
細胞の材料となるのは、主に水分やタンパク質など。
だから水は「生命にとって必須な物質」と考えられていて、例えば科学調査などで他の星に水や氷、もしくは昔水が存在した跡などが発見されると、「地球外生命体の可能性が・・・」なんて言われるわけです。
そしてもう一つのタンパク質に関しては、水よりもずっと化学構造が複雑で「生物ならでは」という物質。これが地球外で発見されたという事例は、管理人が知る限り無かったと思います。
しかし、タンパク質の元になるアミノ酸については、どうやら宇宙にも存在しているらしいということが分かりました。
アメリカの米無人探査機「スターダスト」が2004年に彗星の尾の部分から採取した塵を地球で回収して分析したところ、人体にも存在するアミノ酸の一種であるグリシンが発見されたんだそうです。
グリシンは主に動物性のタンパク質に多く含まれ、構造は比較的単純ですが食品の保存性を良くしたり、摂取することでグッスり眠れる効果があるとも言われている堂々たるアミノ酸。
これが彗星から見つかったということは、宇宙には今まで考えられていた以上に生命の源になる物質が豊富に存在するということなのでしょう。
ただ、地球型の生命体が生まれるためには、複数の種類のアミノ酸が手をつないでタンパク質となり、さらにそれが複雑な構造を作る必要があります。
だからアミノ酸=生物と考えるのはちょっと気が早いかも知れませんが、少なくとも宇宙にアミノ酸が存在ることが分かっただでも、プロテイン愛好家としては喜ばしい限りです。
人類が本格的に宇宙進出を果たした暁には、「伯方の塩」とか「カスピ海ヨーグルト」みたいに「彗星アミノ酸」なんていうサプリメントも売られたりするんでしょうか・・・
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