進化する合成肉
人工肉と言えば小麦粉のタンパク質で作った「グルテンミート」が有名ですが、バイオテクノロジーの進歩によって、最近はもっと本物の肉に近い人工肉が作られつつあるようです。
実際の写真がこちら。
英文記事の上のほうに表示されている、なにやらゼリーみたいな物体が、アメリカの研究機関でウラジミールミロノフ氏によって合成された人工肉です。
写真だけではさみしいので、英文が苦手な方のために、これまた英文が苦手な管理人が(笑)記事の一部を訳しながら解説してみたいと思います。
記事のタイトルは
「研究室で合成される肉が現実に、でも一体だれが食べるの?」
といった感じ。
人工肉のかたまりは”semi-living steak”と呼ばれているようで、日本語で言えばまあ「ステーキモドキ」みたいなニュアンスでしょうか。
化学反応で合成したものではなく、羊の筋肉細胞からバイオテクノロジーの力で培養されたもの。
一応動物の細胞ですから「本物に近い」というよりは人工的に培養された食肉と言った方が適切なのかもしれません。
人工肉の左上の方に写っている茶色いザラザラした部分は、羊の細胞が育つために使用されたポリエステル製の土台です。
動物細胞などを実験室で培養するときは、生物の体内と違って、細胞が培養液のなかでフワフワ浮いた状態になってしまうので、位置を定めるために足場代わりとなる物質を配置することがよくあります。
さて、この人工肉の製造ですが、一部の学者からは「間違った方法だ」とのコメントも出ているようです。
文章中の表現では、
「細胞培養の大きな容器を稼動させたところで、結局それを行うためには化石燃料によるエネルギーが使用されるのだ」というような表現があります。
ただ、家畜が活動するためのエネルギーロスを考えれば将来的には従来の食肉生産方法よりも培養肉の法がエネルギー効率は良くなるようにも思えます。
もしかしたら欧米では「肉を培養して食べる」ということには宗教的というか思想的な抵抗もあるのかもしれません。
ちなみにこの合成肉、味は七面鳥に似ているそうです。
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