タンパク質の変性について

実は飲み物による吸収速度の変化の他にも、phや温度によってプロテインの性質が変わることがあるのです。

タンパク質の変性とは

タンパク質には温度やph(酸性・アルカリ性などの条件)、圧力などの状態が変わるとその分子構造が変化し、性質も変わるという特長があります。

この反応はタンパク質の変性と呼ばれるもので、当然粉末のプロテインも例外ではありません。

ただ、プロテインに圧力を加えるという人はあまりいないでしょうし(笑)元々飲んでしまえば酸である胃液と混ざり合うわけですから、オレンジジュースなどに溶かした場合の酸の影響なども無視して良いでしょう。

普通にプロテインを飲む状況の中でタンパク質の変性が考えられるのは、熱が加わった場合です。

熱変性による性質の変化

熱したフライパンの上に生卵を落とすと、熱により透明でトロッとしていたタンパク質が白くなって固まります。

また、牛肉を炒めると熱が加わった外側の方から赤味が抜けていき、だんだん弾力を失って行くのが分かるでしょう。

タンパク質は熱を加えると、構造が変化します

これがタンパク質の変性と呼ばれる反応で、科学的に表現すると分子の立体構造が変化して、性質が変わるという化学反応が起こっているのです。

プロテインサプリメントは通常、冷たい飲み物(あるいは常温)に溶かして飲む事が多いと思いますが、熱いお茶やホットミルクなど、温度の高い飲み物に入れたりすると、変性によって性質が変化する可能性があります。

変性による影響

ただし、プロテインは変性を起こしても、それが害になったりするというわけではありません。

あまり一般的ではありませんが、プロテインは料理に混ぜても使えるくらいで、タンパク質の分子構造が立体的に変化しても含まれているアミノ酸が変わるわけではないので、ちゃんと筋肉の材料になります。

加熱はほどほどに・・・

ただし、全てが変性前と同じ条件というわけにはいきません。
たとえば溶解性は大きく変わります。

高い温度によって変性したタンパク質は、飲み物にほとんど溶けなくなりますので、飲み物としては非常に飲みにくくなってしまいます。

また、吸収時間も変化します。
熱変性により固まってしまうと液体の状態で飲むよりも消化吸収に時間がかかるようになるため、運動の直前や直後の栄養補給にはあまり適さないと言えるでしょう。

使い勝手を考えると、冷たいプロテインシェイクが苦手!という方は、常温か生ぬるい程度の飲み物に溶かして飲むようにした方がよさそうです。

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