人工イクラと熱変性
お正月料理にはよくイクラが使われていますが、最近のイクラは鮭の卵でなく、合成した人工のものも多く出回っているそうです。
人工イクラの成分は寒天やアルギン酸ナトリウムなど。
本物のイクラが鮭の細胞によって出来ているのに対し、人工イクラは化学反応によって固まったゲルで出来ています。
もちろん人工のイクラであっても人体には何ら問題なく(清潔な環境と材料できちんと作られていればの話ですが)最近は味の上でも本物のイクラに近くなっているので、見分けるのはなかなか困難なんだとか。
しかし、大きく違うのはタンパク質の含有量です。
天然のイクラは鮭の稚魚の体を作るためのタンパク質を豊富に含んでいるのに対して、人工イクラの場合はわざわざ味さえ似せて製造すればいいので、ほとんどタンパク質を含んでいません。
そしてこの性質を利用して、人工イクラを見分ける方法もあります。
方法は簡単で、熱湯にイクラを漬けてみればいいのです。
タンパク質が多く含まれていれば、つまり本物のイクラなら熱で変性して白っぽく固まるりますが、人工の場合はほとんど変化がありません。
人工のイクラはコンビニで売られている食品や回転寿司に使われていることが多いそうなので、味だけで見分けられるという味に敏感な方以外は試してみてください。
尚、人工イクラの作り方は比較的簡単です。チャレンジ精神に溢れる方はオリジナルイクラの作成にチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。
管理人も昔、学校の設備を使って作ってみたことがありますが、水に落とした水滴がゲル化して固まる様子は、化学の実験としてもなかなか楽しいと思います。
そうそう、熱で変性してしまうのは何も天然のイクラだけに限ったことではありません。
最近売られているドリンクタイプのプロテインや、水に溶かして使うタイプのプロテインサプリメントも、熱を加えるとと変性して固まってしまう場合があるので気をつけ下さい。
(管理人へのご連絡は不要です)