プロテインという名前について

生物学や生化学の研究者にとって、「プロテイン」と言えばタンパク質全般。
しかし、一般の人々やプロテインマニアにとって、プロテインと言えばサプリメントのプロテインでしょう。

同じ言葉でも、微妙にイメージするものは違うと思います。
しかし、そもそもプロテインという名前の由来は何なのでしょうか?

「プロテイン」という言葉が始めて登場した言語は、以外なことにフランス語でした。

19世紀の前半にスウェーデンの科学者が、オランダ人の科学者に宛てた手紙に、

「卵白とか生物の繊維をつくってる化学物質なんだけどさ、ギリシャ語の「プロテウス」にあやかって、「プロテイン」にするってのはどうかなあ?僕はそう呼びたいんだけど。だってこの物質って、動物にとってはすごく重要っていうか、基本的なものだし。」

手紙

・・・と書いたのが最初とされているそうです。(※かなり意訳してます。)

ギリシャ語での「プロテウス」は「第一位のもの」というような意味があるので、生物にとって重要な栄養素である物質にふさわしいと選んだということですね。

そしてその後、プロテインという言葉は医学や生物学の発達したドイツへ、そしてイギリスへと伝わり、現在の英語「プロテイン」が誕生したと言われています。

つまり、
proteius(ギリシャ語)

proteine(フランス語)

proteine(ドイツ語)

proteine(英語)※つづりはドイツ語と同じ

蛋白質(日本語)
という感じに流れてきたということです。

こんな事を知っていて何の得になるのかと思うかも知れませんが、こういう名前の由来を知っておくと、理系の勉強をする時に意外と役に立つものです。

例えば、何かを開発するときに最初に作られる試作品のことを英語でプロトタイプ「prototype」なんて言うのを聞いたことは無いでしょうか?

この「プロト」の部分を見て「最初に作られるもの」というような意味を読み取ることが出来れば、言葉の意味はスムーズに理解できるでしょう。

ちょっとマニアックな話になりますが、ロボットアニメ「マクロス」シリーズの中にも、人間の起源となった宇宙人「プロトカルチャー」なるものが登場しました。

知識というのは表面的に見れば役に立たない雑学のように見えても、実は意外と深い所でつながっているんですね。

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