タンパク質摂取量の不思議
「どれくらい飲めばいいの?」のページに書いたように、タンパク質は普通の生活をしている人なら1日に体重1kgあたり1g、ハードな筋トレなどを行っている人なら2gは必要と考えられています。
この規則に従うと、たとえば体重50kgの人が筋肉を付けたいと考えた場合、1日あたり100gのタンパク質が必要という事になるわけです。
しかし、人間の筋肉が増える速度というのはそれほど早くはありません。
驚異的なスピードで筋肉を成長させられるボディビルダーでさえ、年に増量できる筋肉はせいぜい数kgだと言われています。
この部分に矛盾を感じる人も少なくないようですので、当サイトの見解を述べておきたいと思います。
筋肉の増量とタンパク質摂取量
仮に上であげた体重50kg人が一年間に増やせる筋肉が5kgだったとすると、
5000÷365=13.7(g)
という計算になり、1日あたりでは13.7gずつ筋肉が増えている事になります。
筋肉はタンパク質だけで出来ている訳ではありませんから、実質的に筋肉に使われるタンパク質は恐らくもっと少ないでしょう。
それならばなぜ、1日に100グラム以上ものタンパク質が必要になるのでしょうか?
タンパク質は常に代謝されている
人間の組織はたくさんの細胞によって作られているわけですが、毎日一定数の細胞が死んで、新しい細胞が生まれるということを繰り返しています。
体の状態を保つには、少なくとも古い細胞の死骸が排出されていくのと同じだけ新しい細胞を作る必要があり、その材料としてタンパク質が必要なのです。
だから人体を構成しているタンパク質は、家を建てるのに使われている木材の様に「一度調達すればOK」というものではなく、新しいものを常に補給していく必要があります。
ちなみに、身近なところでは毎日伸びる髪の毛や爪、皮膚から出る垢やフケなども、体から出て行くタンパク質の一部です。
食べた量の全てを吸収できない
また、もう一つの重要な要素が、人間は食事として体に取り入れた栄養素の全てを吸収できないという事です。
もっともこれは人間に限った事ではなく他の生物にも言える性質で、効率良くエネルギーを得るための手段といって良いでしょう。
栄養素を全て吸収するのは大変なので、効率良く吸収できる分だけ取って残りは捨てているわけです。
自然界にフンコロガシのような「他の動物のフンを食べて生きる生物」が存在することからも、排泄物に豊富な栄養素が含まれていることが分かるでしょう。
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