人体ゼラチンの話その2(動画付き)

前回の日誌で、人間の遺伝子から合成するゼラチンの話を書きましたが、今回のものはちょっと違います。

呼び方は同じ人体ゼラチンでも、その成分も目的も異なるのです。

今回の人間ゼラチンは、成分が人間のものというわけではなく、人体と同じ硬さのゼラチン。

別名「弾道ゼラチン」とか「弾道ゲル」なんて呼ばれることもあります。

カンの良い方はもう気付いているかも知れませんが、この名前が人体ゼラチンの用途をそのまま示したものになっています。

例えばピストルの弾丸や銃そのものを新しく開発した時、それにどれくらいの殺傷能力があるかということは実験してみなければ分かりません。

ピストル

しかし、当然ながら実際に人間を撃ってみるわけにもいきません。

さらに言えば、仮に誰かが実験台になったとしても、撃たれた人を解剖しない限り、内部の組織がどんなふうに破壊されたかは分からないでしょう。

一般にはあまり知られていないと思いますが、ピストルの弾というのは打ち込まれた人間の体内で変形したり、破片を飛び散らながら分散したり・・・と色々な動きをするそうです。

逆の考え方で言うなら、人間が銃で打たれた時に、どれくらいのダメージを受けるのか?という医学的なデータを取るためにも、何らかの実験が必要になるはずです。

そこで登場するのが、人体と同じ硬さを持った人体ゼラチン。

これに対して弾丸を撃ちこめば、人間に対して弾丸を撃った時の様子をシミュレートすることができるので、誰も傷つけずに実験を行うことが可能になります。

しかも人間と違って透明なゼラチンなら、外から見ただけで弾丸がどこまで進んでいるのか、どんな風に組織を破壊しているのかが分かるしくみになっています。

ちなみにこの人体ゼラチンは、豚の筋肉組織から抽出した成分を使って作られるんだとか。

場合によっては中に人工の骨や動物の骨などを入れて、より実際の人体に近いものを作って実験を行うこともあるようです。

普通の人にはまず縁のない、豚由来の人体ゼラチンですが、いわゆるウンチクの1つとして話の種にしてみてください(笑)。

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