タンパク質接着剤の話

色々な工業製品を作ったり、工作や事務作業などにも欠かせない存在なのが接着剤。

「アロンアルファ」や「セメダイン」のような定番商品はもちろん、セロハンテープや両面テープにも接着剤が使われています。

管理人が子供の頃に使っていたのは主にデンプン糊(のり)で、他の接着剤と比べると強烈な臭いもないのが特長でした。

デンプン糊は主にコーンスターチなどから作られているようですが、ご飯にもデンプンが含まれているので、
「糊がない?だったらご飯つぶを潰して使えばいいだろう?」
と父親に言われて使ってみたら、使い勝手は悪かったものの意外とちゃんとくっついたことを覚えています。

さて、この接着剤ですが、実はタンパク質で出来ているものもあるのです。

特にユニークなのは、フィブリンというタンパク質で出来た「フィブリン糊」、あるいは「フィブリン接着剤」などと呼ばれているもの。

フィブリンというのは繊維状のタンパク質で、元々は人の血液の中にフィブリノゲンという物質として含まれています。

怪我をしたときなどに血が止まるのは、このフィブリノゲンがフィブリンとなって固まる力があるからなのです。

血液

つまりフィブリン糊というのは、血が固まる仕組みを利用して開発された特殊な接着剤と考えると分かりやすいでしょう。

フィブリン糊には化学合成された接着剤ほど強力な接着力はありませんが、人間の体内にある成分から作られるため、糸で縫ったりすることが難しい外科手術などに使われています。

また、インターネットで検索してみたところ、最近はフィブリン糊の他にも、絹(シルク)のタンパク質を使った接着剤や、アコヤ貝とかフジツボといった貝類から抽出したタンパク質を接着剤にするという研究も行われているようです。

ちなみに、我々が栄養源として飲むプロテインには、傷口を塞ぐ効果や止血効果はありません。

怪我をしたからといって傷口にホエイプロテインを振りかけたり、ソイプロテインをすり込んだりすると怪我を悪化させることになるのでやめておきましょう(笑)

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