タンパク質とアルコールの関係

栄養の問題を考える上では一つ一つの栄養素の量や効果だけでなく、それぞれの栄養素がどのように影響し合うか、つまり食べ合わせも重要になってきます。

特にお酒が好きな人にとっては、アルコールが他の栄養摂取にどんな影響を及ぼすかを知っておいた方が良いでしょう。

今回は、アルコールがタンパク質の消化・吸収に与える影響についてまとめてみました。

アルコールが消化器官に与える影響

アルコールは元々、生物の細胞にとって害になる物質です。

アルコールによって消毒をすることができるのも、アルコールが微生物の細胞を死滅させるからです。

もちろん人間の体はある程度のアルコールが体内に入ってきても、それを処理・分解する能力があるので、すぐに死んだりはしません。

それでも、一度に大量のお酒を飲んだり、アルコール度数の高いお酒を飲んだりすれば、消化器官そのもの、例えば胃や腸の粘膜がダメージを受けます。

それによって消化するのに手間がかかるタンパク質が体に吸収されにくくなる恐れは大いにあります。

アルコールが消化器官に影響を与えます

アルコールがサプリメントに与える影響

タンパク質は、化学反応によって変性します。

変性というのは性質が変わることで、生の肉に火を通すと色が変わって固くなるのも、この変性によるものです。

そして、アルコールによってもタンパク質は変性するのです。
焼いた肉と同じように、変性したからといってタンパク質が消化できなくなるわけではありません。

ただし、例えばホエイプロテインやアミノペプチドのように「吸収速度の速さ」が長所になっているサプリメントとアルコールを一緒に飲むと、悪影響があることも考えられます。

つまり、アルコールによってサプリメントの性質が変わることで、長所が失われる可能性があるということです。

タンパク質の必要量が上がる

アルコールによってタンパク質の吸収がジャマされなかったとしても、アルコールを分解するために肝臓などの臓器が一生懸命働けば、その分だけ臓器の補給物資であるタンパク質の必要量も上がります。

タンパク質の必要量が上がる

普段からお酒を飲む機会が多い人は、良質のタンパク質を多めに摂るように心がけた方が良いでしょう。

筋肉の合成が阻害される

ハードなスポーツや筋力トレーニングを行っている人にとっては、タンパク質の必要量や吸収率よりも大きな問題になるのが、アルコールがタンパク質の合成に悪影響を与えるということです。

この問題については『肉体改造研究所(筋トレ&ダイエット)』『お酒(アルコール)と筋トレの関係』に詳しくまとめていますので、どうか参考にしてみて下さい。

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