食肉に潜む危険性とは?

日本でも、昔は今よりもずっと、狩猟が盛んに行われていました。

しかし、日本の狩猟人口は年々減少していて、今では一部の人を除いて野生動物の肉を口にする機会はほとんどなくなってきています。

ハンター

なので、我々が普段口にしている肉は、食肉用に育てられた動物の肉であることがほとんどでしょう。

しかし最近は、一部の野生動物が増えすぎたことから、それを食用資源として利用しようという動も出てきています。

いわゆる「ジビエ料理」のお店が出てきているのも、その流れの一つと言えるのかもしれません。
(ジビエというのは「gibier」というフランス語から来ていて、 狩猟により採取された野生由来の食材という意味だそうです。)

農作物を食べてしまったり、人間の生活を脅かす可能性のある動物をただ「駆除」するのではなく、昔のように「食べるために獲る」ということですね。

個人的には、自分たちだけで地球上の土地の所有権を主張して「駆除」なんて人間って勝手だなぁと感じなくもないのですが、ただ数を減らすために猟をするくらいなら、食べたほうがまだいいのは確かでしょう。

ただし、これには問題もあります。

それは、病気や寄生虫などの被害が発生する可能性が高いことです。

食用として育てられた動物の場合、一定のレベルで寄生虫や病原菌が繁殖しないような管理が行われています。

そもそも野生動物と違って、病気の感染源となる他の動物とほとんど接触することはありませんし、エサの内容もコントロールされているのが食用家畜の利点なわけです。

これに対して野生動物は、多少ヤバイものでも栄養源として活用しないと、厳しい生存競争を生き抜いていけません。

食べられそうなものが目の前にあった時に、病原菌や寄生虫の心配をしている余裕はないでしょう。(もちろん、そういう知識もないですが・・・)

野山にある食べられそうなものを片っ端から口に入れているわけですから、病気や寄生虫が体に入らないほうが不思議なくらいです。

実際にジビエ料理では、ウイルスや寄生虫による肝炎や病原性大腸菌に感染したという例が数多く報告されています。

もしも野生動物の肉を食べる機会があったら、絶対に生食は避けて、十分に火が通っているかどうかを確認するべきです。

そして、食肉用に育てられた家畜であっても、病原菌や寄生虫が100%いないというわけではないので、その点には注意が必要です。

豚肉や鶏肉など、食肉の内部にまで寄生虫が入り込む可能性のある動物については、しっかり火を通して食べた方が安心でしょう。

特に日本人は魚を生で食べる習慣があるので、生肉に対しての抵抗が少ないとも言われています。

しかし、魚類と哺乳類では寄生虫や病原菌の種類も危険度も大きく違うので、お寿司を食べるような感覚で危険な生肉を食べてしまうと、知らないうちに危険な病原菌やウイルス、寄生虫を体に入れてしまうことになりかねません。

ところで、最近は牛肉を原料としたプロテインも発売されていますが、プロテインの場合は栄養成分だけを抽出して加工しているので、感染症などにかかる可能性はまずありません。

加熱などしないで、安心してゴクゴク飲んで下さい(笑)。

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