プロテインで作る筋肉は偽物?

「プロテインを飲んで付けた筋肉はニセモノで、柔軟性や力がない」
なんていう話をよく聞きます。

こんな事を言われたら、
「え!じゃあ、飲まない方がいいじゃん!」
って思ってしまいますよね。

しかしこの話は、科学的な根拠も無い全くのデタラメなのです。

プロテインは分解して利用される

もしもプロテインの粉や卵の白身が、口から入れた状態のまま血管の中を流れていって筋肉の合成に使われるのなら、食べた物の種類によって筋肉の性質が変わることも十分に考えられます。

しかし、プロテインや食品の蛋白質は、体の中で分子レベル(アミノ酸)まで分解されてから利用されるのです。

そして最小単位まで分解されてしまえば、元がどんな物質であったかは関係ありません。
全て同じ性質になります。

より正確な言い方をすると、タンパク質の性質はアミノ酸のつながり方によって変化するので、完全に分解されてしまえば元がプロテインだったか、それとも卵の白身や牛肉だったかという情報は失われてしまうのです。

ちょっとたとえ話をしてみましょう。

おもちゃのブロックで組み立てた家が一つ、船が一つあったとします。
そして家の方をバラバラに分解して、怪獣の形に組み立てなおしました。

さらに船のもバラバラに分解して、同じように怪獣の形に組み立てなおしたとしましょう。

栄養の分解と組み立てはブロックと同じ

さて、「家を分解して作った怪獣」と、「船を分解して作った怪獣」との間に何か違いはあるでしょうか?

ブロックが足りなくなったりせずに同じように組み立てたとして、どちらかが硬かったり柔らかかったり、あるいは壊れやすかったり丈夫だったりするでしょうか?

どちらも同じですよね。

元の形がなんであれ、最小単位まで分解された同じ性質のパーツを使って組み立てたならば、最終的にできる物の性質も変わらないのです。

タンパク質を分解して得たアミノ酸から筋肉を作る時もこれと同じような現象が起こっていると考えてください。

迷信が生まれた理由は?

プロテインは確かに筋肉を付けるために有効なサプリメントですが、スポーツなどに筋力を活かす為には、十分な動作トレーニング・技術トレーニングを積まなければいけません。

このためボディビルダーのように筋肉を大きくすることを専門にしているアスリートがいきなりスポーツに挑戦しても、当然すぐに結果が出ることはありません。

また、短期間で急激に付いた筋肉ほど落ちるのが早いのも事実です。
ただしこれは、プロテインを飲んだことが理由ではなく、何を食べても同じです。

プロテインを飲んで筋肉を大きくしているボディビルダー達が思うように力を発揮できなかったり、運動を止めたとたんに筋肉が落ちてしまったりする・・・

このような現象がプロテイン=ニセモノ筋肉を作るという迷信を生んだのではないかと考えられます。

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